宇宙旅行は観光の時代へ

広告クリエイターで、宇宙映像制作会社社長でもある高松聡氏(51歳)が、国際宇宙ステーション(ISS)に搭乗することが発表されました。

これまでISSには、若田光一さんをはじめ4人の日本人宇宙飛行士が滞在してきましたが、高松氏のISS搭乗が実現すれば、民間の日本人としては初の宇宙観光旅行が実現することとなります。

高松氏は、宇宙からの映像を使ったCMなどを制作するかたわら、日本初となる宇宙旅行専門の旅行代理店の代表も務めています。

今回のISSの搭乗にあたっては、イギリス人歌手サラ・ブライトマンのバックアップ要員、つまり添乗員として宇宙に行くこととなっています。

国際宇宙ステーション(ISS)って何?

出典 http://www.gettyimages.co.jp

地球や天体観測などをメインに、国や大学などの実験や研究を行う、「パブリック」な宇宙国際共同機関です。

そのパートナーには、米国航空宇宙局(NASA)を始め、ロシア連邦宇宙局(FSA)、欧州宇宙機構(ESA)、日本の宇宙航空研究開発機構(JAXA)、カナダ宇宙庁(CSA)が名を連ねています。

従来はパブリックな目的での利用に限定されてましたが、近年は商用利用が進むなど、「プライベート」な目的での利用も可能となってきました。

高松氏はもともと宇宙少年だった。

現在は広告ディレクターでもある高松氏は、電通の営業マンであった時代に、「ポカリスエットのCMを宇宙で撮影する」というアイデアをISSに提案し、みごと実現させました。

またそのCMがきっかけで、営業からクリエイティブ部門への異動も勝ち取りました。

もともとは宇宙飛行士志望で、大学でも宇宙に関係することを専攻し、宇宙開発事業団(現JAXA)の宇宙飛行士にまで応募した若き日の高松氏。裸眼視力が足りないという残念な理由で、子どもの頃からの夢を一度はあきらめました。

最初はNASAに行こうと思ったんですよ。でも、宇宙飛行士が夢なのに廊下で毎日宇宙飛行士とすれ違う環境と言うのもどうなのかと。かえって辛い気持ちになるかもしれないなと思ったんです。だったらいっそ宇宙やサイエンスとは出来る だけ遠い環境に行こうと。だから仕事は何でも良かったんです。

出典 http://onkou.com

そんな理由でCMに携わることになった高松氏は、CMがきっかけとなり、再び宇宙との接点を取り戻すこととなりました。

「宇宙から見たら国境なんて見えない」をテーマにしたカップヌードルの撮影を通じ、宇宙映像を広告として使用するには高いハードルがあることを実感した高松氏。そのハードルを低くするために、自ら宇宙映像制作会社を起ち上げました。

宇宙から見たら国境なんて見えないじゃないですか。人間が作ったもので、元々無かったものですから。そこで「NO BORDER」と。人間が作ったものだったら、人間が消せるんじゃないか?と。

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宇宙飛行士になるには越えられなかった壁を、自らのアイディアと行動力で突き崩してきた高松氏は、宇宙旅行専門の旅行代理店まで作ってしまいました。

そうした行動力が、「ISSに世界初の宇宙旅行者を送り出す」ことを目指していたアメリカの宇宙旅行専門会社Space Adventures社の目に留まり、念願の宇宙飛行士となることができました。

51歳と若くはない高松氏ですが、宇宙飛行士の適性訓練には無事パスした模様です(下記映像参照)。

出典 YouTube

人間が作ったものだったら、人間が消せる

子どもの頃からの夢を回り道しながら、ついには51歳という年齢で叶えることに成功した高松氏。

行き先ボードに「出張(宇宙)」と書くのが夢なんですよ(笑)。

出典 http://onkou.com

宇宙飛行士が限られた人にしか許されなかった時代から、宇宙は観光の時代に変わりつつあります。それも、ひと握りの大富豪に許された夢ではなく、30年ローンを利用すれば一般人にも何とか手の届くところにまで来ました。

ローンを組んで宇宙旅行が実現する時代、それは宇宙関連事業のすそ野が、今よりもずっと広くなることを意味してます。

宇宙旅行を企画するだけでなく、ローンを審査する人、宇宙旅行専門トラベルグッズまで、ありとあらゆる職業が今よりもずっと宇宙に近くなります。

限られたひと握りの人のためのものが、宇宙が好きな人や、人と変わったことがしたい「普通の人」にも可能になる。

人間が作ったものは、人間が消せる。それも案外身近なところから始まる。そんな時代の到来を予感させるニュースでした。

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とある地方都市在住の暇な人です。おかたいところとばっかり縁があった反動で、すっかりゆるふわ好きになりました。リラックスして楽しめる、そんな情報をお届けしたいと思ってます。

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